市民ダイアログ2017

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システムでは、自動運転に対する社会受容性の醸成を目的とした取組みとして、昨年度に引き続き「市民ダイアログ」を実施しました。

・第1回 市民ダイアログ 平成29年11月3日(金) 「モビリティと都市デザイン」
・第2回 市民ダイアログ 平成30年2月5日(月) 「未来社会とMaaS(Mobility as a Service)」

第1回 市民ダイアログ

イベント概要

2017年度第一回目となる今回は、東京モーターショーシンポジウム2017にて、「モビリティと都市デザイン」をテーマに開催し、2030年以降を見据えた自動運転×都市デザインについて各分野の専門家、市民の方々と意見交換を行いました。
人々の移動・生活はどうなっていくのか、どうありたいのか、未来の移動・都市の姿を描きながら、そこでの自動走行システムのあり方について議論しました。

  • ◆ テーマ

  • モビリティと都市デザイン

  • ◆ 開催日時

  • 2017年11月3日(金) 15:00~17:30
  • ◆ 開催会場

  • 東京ビッグサイト会議棟6階 605~608会議室
    東京都江東区有明3-11-1
    (東京モーターショーシンポジウム2017にて実施)
  • ◆ 観覧方法

  • 入場無料
    事前登録制(定員に空きがある場合は、当日先着順で受付)
    当日来場者数:311名
  • ◆ 参加者

  • <モデレータ>
    SIP 自動走行システム:推進委員会構成員 国際自動車ジャーナリスト 清水和夫氏
    SIP 自動走行システム:推進委員会構成員 モータージャーナリスト 岩貞るみこ氏
    <登壇者>
    SIP 自動走行システム:プログラムディレクター 葛巻清吾氏
    SIP 自動走行システム:サブ・プログラムディレクター 有本建男氏
    日本大学・理工学部土木工学科 教授 岸井隆幸氏
    一般社団法人日本自動車工業会 中長期モビリティビジョン検討会 主査 三崎匡美氏
    <市民パネリスト>
    10名
  • ◆ 開催レポート

  • 今回の市民ダイアログは、市民ダイアログ初の試みとなる外部大型イベント(東京モーターショー)との連携で開催しました。一般聴衆を交えることでより多くの層へ発信し、市民ダイアログの効果を最大に発揮できる機会となりました。
    都市交通や、デベロッパー、デザイナー、AI研究者、学生などの様々なバックグラウンドを持ち、モビリティや都市計画に関わる市民パネリスト10名が集まり、登壇者、モデレーターと意見交換を行いました。
    また、当日は311人の一般聴衆が参加し、会場からの意見、質問は随時、オンライン意見投稿ツールで受け付け、記入式アンケートも合わせて多くのご意見を頂きました。

    ダイアログのテーマである「モビリティと都市デザイン」に沿い、以下3つの小テーマについて対話を行い、様々な意見があがりました。

    テーマ1:モビリティと都市の現在~移動の課題・ニーズ~
    「車いすでの移動は、移動にかかる時間が読めないことがストレス」
    「街づくりにおいて仕事づくりは重要。自動運転化で奪われる、生まれる雇用について議論が必要」
    「将来的に働き方が変わる。それぞれの人に合った働き方、生き方をつなぐのがモビリティの役割なのかもしれない」
    など、多様な立場から都市での生活、移動に関する課題のコメントがありました。

    テーマ2:Beyond2030のモビリティと都市~自動運転×都市デザイン~
    「未来の都市やモビリティは人体のミクロの現象をヒントに出来る可能性がある」
    「都市ではセンサー類を活用した自動運転、郊外では自律走行など、運用のメリハリが必要」とのアイデアも出されました。
    一方で、カメラ等の設置拡大に伴うプライバシーの問題も考えていく必要があるとの指摘もありました。
    また、設計に柔軟性を持たせることの必要性についても議論が及びました。

    テーマ3:これからのモビリティと都市~実現に向けて必要なこと~
    「2030年は都市計画にとっては将来ではなく、今考えないといけないこと。バレーパーキングの活用等による駐車場のマネジメントを考える必要がある」
    「人が移動することは幸せのため、楽しさのため。それをみんなが享受できることが重要。置いていかれる人を作ってはいけない。多様性を前提とした街づくりを忘れないように議論したい」
    といった意見が、登壇者、パネリストより出ました。

    最後に、SIP-adusの有本サブ・プログラムディレクターより、「置いていかれる人を作ってはいけないとのご指摘はまさしくその通りで、人だけでなく地域も同じ。今日は東京で開催したが、今後いろいろな地域でこういう議論をやっていくべき」といった提言もあり、盛況のうちに市民ダイアログは閉会しました。
  • 【第1回市民ダイアログ 実施風景】

  • ◆ 動画

  • 第1回市民ダイアログ 実施風景動画1

    第1回市民ダイアログ 実施風景動画2

    第1回市民ダイアログ 実施風景動画3

    第1回市民ダイアログ 実施風景動画4

第2回 市民ダイアログ

イベント概要

2017年度第二回目となる今回は、「未来社会とMaaS」をテーマに開催し、人々の「移動」のニーズから、日本においてどのような「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」が考えられるのか、専門家、市民の方々と意見交換を行いました。
また、その中で自動走行システムがどのように活用できるのか、社会制度・産業としてどのような変化が求められるかについて、議論しました。

・テーマ「未来社会とMaaS」について

2030年の暮らしや移動を、高齢化・都市化・グローバル化などメガトレンドを踏まえて考察しつつ、都市・地方にどのような移動ニーズが生まれるかを市民目線で議論。将来、考えうる移動ニーズを満たすために求められるサービスやプロダクト、そこで自動運転が果たす役割などを市民同士、および専門家との対話のなかから描き出す。また、社会制度・産業としてどのような変化が求められるかも考えていく。

  • ◆ 開催内容

  • テーマ:「未来社会とMaaS(Mobility as a Service)」

  • ◆ 開催日時

  • 平成30年2月5日(月) 14:00~16:00
  • ◆ 開催会場

  • 東京大学 生産技術研究所 S棟 プレゼンテーションルーム
  • ◆ 参加者

  • <モデレータ>
    須田英太郎氏
    清水和夫氏:SIP自動走行システム推進委員会 構成員 国際自動車ジャーナリスト
    <登壇者>
    葛巻清吾氏:SIP自動走行システム プログラムディレクター
    有本建男氏:SIP自動走行システム サブ・プログラムディレクター
    大口敬氏:東京大学 生産技術研究所 教授
    柴崎亮介:東京大学 空間情報科学研究センター 教授
    <総合司会>
    岩貞るみこ氏:SIP自動走行システム推進委員会 構成員 モータージャーナリスト
    <市民パネリスト>
    8名
  • ◆ 開催レポート

  • 交通事業者、都市設計、農業関係、エンジニア、自動車関係ビジネス、学生などの様々なバックグラウンドを持ち、モビリティに関わる市民パネリスト8名が集まり、登壇者、モデレーターと意見交換を行いました。

    ダイアログのテーマである「未来社会とMaaS」に沿い、以下3つの小テーマについて対話を行い、様々な意見があがりました。

    テーマ1:2030年 日本における暮らしと移動MaaSのニーズ
    ■「移動の目的」の多様化

    - 「移動先に行くこと」と、「移動自体」以外にも目的は考えらえる。次の移動先に行くまでの心の切り替えや作業にあてる「準備の時間」であったり、車内に乗り合わせた人たちとの「コミュニケーションの場」でもある。

    - 将来働き方が変わる事で、通勤の概念が変化したり、また、副業の増加等により、移動が複雑化する可能性もある。

    ■「コミュニティ」の必要性

    - 人が健康に過ごすためにもコミュニケーションが大事。社交するために移動するというニーズがある。

    - MaaSの実現、更に自動運転になることで、運転できない人たちだけでも移動が可能となり、更に走る○○といった様々なサービスの需要が見込める。


    テーマ2:ニーズを実現するアイデアの検討
    ■データの利用

    - サービスの展開にはデータの連携が重要。個々の企業でデータは存在している。然しながら例え違法でなくてもデータの共有はプライバシー侵害と捉えられるリスクを伴い、データのオープン化に積極的でない企業が多い。サービスのレベルを上げるためには、意図的に努力する必要がある。

    ■サービスの普及に向けて

    - 目的地にあわせ、その往復もパッケージ化し提供することで付加価値を上げることができるのではないか。例えばテーマパーク。移動から演出を行うことで、経済合理性を追求することが可能。そういったサービスが浸透していくことで、人々に理解してもらえ、更なるサービス拡大につなげることができる。


    テーマ3:サービス実現のために
    ■サービスの「コンテンツ化」の必要性

    - サービスが具体化されていないので、魅力的なものとして人々が捉えることができない。人々の自動運転のニーズを吸い上げるためには「コンテンツ化」する必要がある。

    ■データの「収集・活用」について

    - 「公共」の概念が変わっていくのではないか。それぞれの地域に合わせた「自律分散」による「公共交通のありかたが考えられるのではないか。

    - 移動に関するデータは全て集められる「プラットフォーム」が必要。公開されたデータを組み合わせ、公共サービス、更に民間で加工、カスタマイズされたサービスを提供していく。経済合理性も考えたサービス設計が必要。

    ■「連携」の重要さ

    - 既存の乗換案内は、日常生活においては有効なツールだが、雪等の突発・非常事態時には欲しい情報が得られない。最適な移動手段を案内するためにはデータの「連携」が必要である。

    - 公共サービスは市民の合意、共有から形成されるものであるが、行政も民間が動きやすくするための重要なプレーヤーであるべき。また、交通事業者は数が多く、迅速な施行に際してはトップダウンが有効な場合もある。


    最後に、「MaaSには、“スピード”とは違う“豊かさ”があるはずで、クルマの価値も大きく変わっていくと思う。これからも市民にとってあるべきMaaSとは何か、理想像を市民と共に語る場を持ち続けていきたい。」という清水氏からのコメントで、2017年度第二回市民ダイアログは締めくくられました。
  • 【グラフィックレコーディング】

  • 【第2回市民ダイアログ 実施風景】

  • ◆ 動画

  • 第2回市民ダイアログ 実施風景動画1

    第2回市民ダイアログ 実施風景動画2

    第2回市民ダイアログ 実施風景動画3

    第2回市民ダイアログ 実施風景動画4