市民ダイアログ

イベント概要

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システムでは、自動運転に対する社会受容性の醸成を目的とした平成28年度の取組みとして「市民ダイアログ」を実施しました。
自動車ジャーナリストの清水和夫氏、岩貞るみこ氏をモデレーターとし、自動運転が身近となった社会におけるいくつかのテーマを対象に計3回開催し、大学生などを含めた一般市民の方々と対話型プレゼンテーションを行いました。

・第1回市民ダイアログ 平成28年11月1日(火) 「自動運転の実現により変わる社会」
・第2回市民ダイアログ 平成29年1月17日(火) 「自動運転の社会のつながり」
・第3回市民ダイアログ 平成29年2月11日(火) 「ドライバーの権利と責任」

  • ◆ モデレーター

  • ・SIP自動走行システム:推進委員会構成員 国際自動車ジャーナリスト 清水和夫氏
    ・SIP自動走行システム:推進委員会構成員 モータージャーナリスト 岩貞るみこ氏
  • ◆ 開催目的

  • 自動走行システムについて、正確な情報を発信して市民の理解を促進し、市民との意見交換を通じて、自動運転がもたらす未来について「連想」「予測」「創造」する。

    ・これまでの認識、見方とは異なる、新たな気づきや目的を得て共有化する。
    ・今後につながる協動関係を獲得する。
    ・自動運転車の未来を身近に感じてもらい、社会受容性の醸成をはかる。

第1回 市民ダイアログ

イベント概要

平成28年11月1日、「自動運転の実現により変わる社会」をテーマにSIP自動走行システム『第1回 市民ダイアログ』を開催しました。

  • ◆ 開催内容

  • テーマ:「自動運転の実現により変わる社会」

  • ◆ 開催日時

  • 平成28年11月1日(火) 15:00~17:00
  • ◆ 参加者

  • <モデレータ>
    SIP 自動走行システム:推進委員会構成員 清水和夫氏
    SIP 自動走行システム:推進委員会構成員 岩貞るみこ氏
    <登壇者>
    SIP自動走行システム: プログラムディレクター 葛巻清吾氏
    SIP自動走行システム: サブ・プログラムディレクター 有本建男氏
    <市民参加者>
    計24名(自動走行が実用化する頃の未来を担う大学生)
  • ◆ 開催会場

  • イイノホール&カンファレンスセンター「Room A」
    東京都千代田区内幸町2-1- 1 飯野ビルディング4階
  • ◆ イベントレポート

  • 第1回市民ダイアログでは、自動運転車の本格的に実用化が実現する頃に、中心世代となり得る20代前半の若者たちと対話を行いました。意見交換に入る前に、自動走行車で予想される未来社会と現状の課題を整理しながら、自動走行車を実用化するためにソフト面とハード面の仕組みを整備していかなければならないことや、市民社会が自動運転車をどう受け入れることができるのかなど、さらに事故時の民事刑事責任や法律上の解釈などの課題について説明しました。

    参加者たちからは、当初「東京に住んでいる人には、自動運転の恩恵を感じにくいのでは」などの戸惑いを含んだ意見も聞こえましたが、人工知能AIや独自の地図データを保有し、別のアプローチで自動運転に取り組んでいるGoogleを引き合いにして「どのように差別化するのか」、「日本の自動車メーカーの強みは?」など、本質的な意見が話され、熱い議論が飛び交うようになりました。
    自動運転車を受容する未来像としては、時間の有効活用や公共交通機関のない地域での利便性の向上、道路の新しい使い方などの意見がでました。
    「官民が協力しあって社会のイノベーションや倫理のことまで議論しようというようなネットワークができつつある。これからはそういうことが大事」というまとめの見解を持って、第1回市民ダイアログの議論は終会となりました。
  • 【第1回市民ダイアログ 実施風景】

  • ◆ イベント動画

  • 第1回市民ダイアログ 実施風景動画その1

    第1回市民ダイアログ 実施風景動画その2

    第1回市民ダイアログ 実施風景動画その3

    第1回市民ダイアログ 実施風景動画その4

第2回 市民ダイアログ

イベント概要

平成29年1月17日、「自動運転と社会とのつながり」をテーマにSIP自動走行システム『第2回 市民ダイアログ』を開催しました。

  • ◆ 開催内容

  • テーマ:「自動運転と社会とのつながり」

  • ◆ 開催日時

  • 平成29年1月17日(火) 16:00~18:00
  • ◆ 参加者

  • <モデレータ>
    SIP 自動走行システム:推進委員会構成員 清水和夫氏
    SIP 自動走行システム:推進委員会構成員 岩貞るみこ氏
    <登壇者>
    ゲスト: 芝浦工業大学 教授 春日伸予氏
    SIP 自動走行システム:サブ・プログラムディレクター 有本建男氏
    <市民参加者>
    計17名(バス・タクシー等自動車業界関連の事業者、大学生など)
  • ◆ 開催会場

  • ベクトル ラウンジ
    東京都港区赤坂4-15-1 赤坂ガーデンシティ18F(株式会社ベクトル内)
  • ◆ イベントレポート

  • 第2回市民ダイアログでは、自動車ジャーナリストの清水和夫氏、岩貞るみこ氏をモデレーターとし、芝浦工業大学の春日教授をゲストに迎え、車にかかわる事業者や職業ドライバーらと次世代を担う大学生を含む一般市民の方々と意見交換しました。

    全体の流れとして、(1)春日教授による基調講演、(2)岩貞氏が司会進行を務め、参加者全員が意見を交換し合う対話型プレゼンテーションの順で進行しました。

    (1) の基調講演では、メーカー側が歩み寄るだけでなく、ユーザー側も積極的に技術を理解する姿勢を持ち、適正に技術を使う責任感を持つことが重要であると、解説いただきました。また、職業ドライバーの方には積極的に見本となるよう自動運転を使っていたいただきたいという意見がありました。

    (2) では、いくつかのテーマに沿って参加者との活発な対話が行われました。1.クルマを利用する仕事に対する職業ドライバーが抱える不満として、労働力不足や高齢化が深刻化している点が挙げられました。同時にこの点における自動運転への期待も大きい点が挙げられました。2.自動運転に対する不安として、自動運転の使い方そのものへの不安に加え、システムがどこまでできるのかわかりにくいという意見がありました。また、事故を起こした時に誰が責任をとるべきかといった不安、さらにレベル3におけるシステムと人の役割で割り切れるのか、といった不安が挙げられました。3.自動運転を正しく理解するための教育について、メーカーが教育する、運転経験者が教育する、モータージャーナリストが情報発信するなど、様々な立場から関わり合い、教え合いながら自動運転を有効に使うことが重要であるといった意見が出されました。

    最後に、日本が自動運転において世界をリードしていくべきであること、また、自動運転は社会全体で発展させるべきであり、特に次世代を担う若者に積極的にモビリティ社会のイノベーションに関わってもらいたい、というモデレーターの意見で締めくくられました。
  • 【第2回市民ダイアログ 実施風景】

  • ◆ イベント動画

  • 第2回市民ダイアログ 実施風景動画その1

    第2回市民ダイアログ 実施風景動画その2

    第2回市民ダイアログ 実施風景動画その3

    第2回市民ダイアログ 実施風景動画その4

第3回 市民ダイアログ

イベント概要

平成29年2月21日、「ドライバーの権利と責任」をテーマにSIP自動走行システム『第3回 市民ダイアログ』を開催しました。

  • ◆ 開催内容

  • テーマ:「ドライバーの権利と責任」

  • ◆ 開催日時

  • 平成29年2月21日(火) 16:00~18:00
  • ◆ 参加者

  • <モデレータ>
    SIP 自動走行システム:推進委員会構成員 清水和夫氏
    SIP 自動走行システム:推進委員会構成員 岩貞るみこ氏
    <登壇者>
    ゲスト:法政大学 教授 今井猛嘉氏
    <市民参加者>
    計17名(法律の専門家、バス・運送会社等の事業者、ロースクールの学生など)
  • ◆ 開催会場

  • ベクトル ラウンジ
    東京都港区赤坂4-15-1 赤坂ガーデンシティ18F(株式会社ベクトル内)
  • ◆ イベントレポート

  • 第3回市民ダイアログでは、第2回に引き続き自動車ジャーナリストの清水和夫氏、岩貞るみこ氏をモデレーターとして、法政大学教授の今井猛嘉氏をゲストに迎え、弁護士などの法曹関係者、次世代を担うロースクールおよび法学部に通う大学生、車に関わる事業者や職業ドライバーらの市民代表と意見交換しました。

    全体の流れとして、(1)今井氏による基調講演、(2)岩貞氏が司会進行を務め、参加者全員が意見を交換し合う対話型プレゼンテーション、(3)参加学生を中心とした自由対話の順に進行しました。

    (1)では、「自動運転による事故と法的責任:刑事責任を中心にして」をテーマに、自動運転車両が、万が一事故を起こした場合、誰がどのように責任を問われるのか。刑事責任や、レベル3と4における考え方の違いなどが解説されました。

    (2)では、完全自動運転の問題点について、事業者や法曹者の立場からさまざまな見解が提示されました。自動運転車両の信頼性が周知されていないため、社会的な理解を得るのに時間がかかるのではないかと懸念する意見がありました。機能の限界に関する説明責任は果たされていたのかなど、個々の状況に応じたケースが想定されるため、一概に誰が責任を負うのか論じることは難しいなどの意見もありました。また、「製造物責任は有体物だけでなくプログラムやデータに対する責任まで範囲を拡大すべき」「自賠責保険のような仕組みも必要」「事故原因調査が最優先事項なので、過失責任を問うよりも原因追究に協力すべきであり、刑事罰は課すべきでない。」といった意見も出されました。

    (3)では、自動運転の実現により、ライフスタイルの選択肢が増えることもあり、ニーズは高いと思われるため、引き続き検討していくことが必要ではないか、などの意見がかわされました。

    最後のまとめとして、世の中には人的ミスに寛容でも、機械に対しては厳しい目がある。若い世代が新しい倫理観を考えてほしい。また丁寧な情報発信などで理解を求めていくしかない、というモデレーターの意見で締めくくられました。
  • 【第3回市民ダイアログ 実施風景】

  • ◆ イベント動画

  • 第3回市民ダイアログ 実施風景動画その1

    第3回市民ダイアログ 実施風景動画その2